前回の「初期戦略フェーズ」編で、コーポレートサイトを再構築する際には下記3つについて整理すべき、という内容を書きました。
1.事業戦略や方針を考慮した上で、コーポレートサイトが担うべき役割は何かを明確にする。
2.自社の販売経路・顧客の特徴を把握し、必要な情報発信、コンテンツを洗い出す。
3.重要度・優先順位を明確にし、おおよその計画を作る。
前回の「初期戦略フェーズ」編
その中で、最も時間を要するのが、「2」ではないかと思います。「自社の販売経路・顧客の特徴を把握」という点について、1つや2つではなく様々なパターンやシーンがあると思います。その経路は、マーケティング担当・経営陣で共有しておく必要があり、そのためには、「カスタマージャーニーマップ」の形式で残して共通認識を形成していくのが最もスムーズです。
一貫性のあるマーケティングを実施していく上でも、意思決定の上でも、カスタマージャーニーマップの共有は重要な役割を果たします。顧客(ペルソナ)の経路ごとに何パターンも作成する必要があるので、最初はシンプルにまとめられる方が進めやすいと思います。
カスタマージャーニーマップ例(パワーポイント形式)のダウンロードはこちら>
※「カスタマージャーニーマップ BtoB」等のキーワードで検索すると、たくさんの資料が出てきますので、自社に合った方法で行うのが良いと思います。
カスタマージャーニーマップで理解したことをコーポレートサイトへ活かす
①客観的に現状の「本当の」経路を把握する。
中小企業の場合、「社長の人脈」「役員が営業」「既存顧客からの紹介」「退職した社員から」などリアルな人的つながりで顧客を維持している場合が非常に多いと思います。そのような営業から脱却したいからWebを使うのだ、という考えもありますが、現在の状況と次フェーズのマーケティングと組み合わせて構成することが現実的です。
このようなことも含めて現状把握して、どんなコーポレートサイトで、どんなコンテンツであればそれを最大限サポートすることができるのか、という方向性が見えてきます。
②見込み顧客や既存顧客に向けて必要なコンテンツを決める。
例えば、営業担当の社員がサービスの詳細についてブログを書くとか、サービスへの思いや対応が感じられるコンテンツは有効かもしれません。また、既存顧客に向けたサポートを充実させるために、FAQサイトを整備することも考えられます。
ユーザーに「こう解釈してほしい」「こう伝わってほしい」という一方通行ではなく、顧客の立場に立って「何を求めているのか」に応えるコンテンツが必要です。
コーポレートサイトに良い仕事をしてもらう。-顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)向上-
コーポレートサイトを単なる「会社案内」とするだけでは、せっかくアクセスしてくれたユーザーを逃してしまうかもしれません。
- 問い合わせしようと思ったのに、問い合わせフォームがわかりにくかった。
- サービスについて知りたかったが、わかりにくかった、等。
コーポレートサイトに下記のような「いい仕事」をしてもらい、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)向上につなげることが必要です。
- 集客・マーケティング機能
- 接客機能
- 広報としての機能
- 専門知識・情報の発信
- わかりやすく探しやすい
- ブランディング、ファンづくり
- 分析機能、等
「わかりやすさ」は最重要。コンテンツの入り口は、顧客ニーズの様々な視点や角度から設けよう。
コーポレートサイトの基本デザインについて。
表面的な美しさは最重要ではなく、ナビゲーションの「わかりやすさ」と「提案」が重要で、ユーザーに気持ちよく次のアクションを起こしてもらうようにデザインするべきです。
Web上でのブランドイメージは、表面デザインだけでなく、「わかりやすさ」「提案」といった顧客体験も含めて醸成されると考えられます。
【ケース1】<コーポレートサイト・CMS構築>創業時の限られた予算でコスト重視で実現したい
今回は、「設計~デザイン制作」編ということでお届けいたしました。続いて「サイト構築」「運用」という形でフェーズを分けて行く予定です。