こんにちは、眼鏡@ブライトコアです。
2017年3月7日、「DM week 2017 TOPPAN FORMS」にて行われた講演「脳はクチよりモノを言う ~感性分析でCRMが変わる!~」に参加してまいりましたのでレポートいたします。
セミナー情報
http://labolis.toppan-f.co.jp/topics/information/event/4378/
「0秒コミュニケーション」とその実態
キーワードは「0秒コミュニケーション」。これは次期(2018年)テーマ「第7感」にもつながるものだが、「現代社会での企業からユーザーへのコミュニケーションはいわば0秒(瞬間的)に情報のやり取りが行われている」といったニュアンスが含まれるものだ。
0秒、すなわち頭で考えるより先に直感的にユーザーの心を動かすことが重要というこの考えだが、実際にユーザーの約87%が5秒以内にDMを開封するかどうかの判断をしているというデータが出ている。この速さの原因の一つに、飽和状態となったメールマーケティングの数が挙がる。1週間に、51通以上のメールマガジンを受け取るユーザーが約40%、16通以上のDMを受け取るユーザーが約27%と、多くのユーザーが大量の企業からのコミュニケーションを受けており、それらへのネガティブな印象も少なくない。しかしそれらの印象の中で、興味がある、良い情報が得られる等のポジティブな印象をDMに持つユーザーがいることも確認されている。
実は電子メールと比較してDMは、「自分に直接向けられた情報、メッセージ(自分ごと)である」とより強く認識されやすいようだ。飽和状態のメールマーケティングの中で重要性を増すDMだが、メールマガジンとは違い費用対効果をより求められる。そこで、0秒コミュニケーションとして、瞬間的に、直感的にそのDMをユーザーにとって自分ごととすることが重要となる。
「0秒コミュニケーション」による解析・調査
トッパン・フォームズでは、0秒コミュニケーションをより発展させるべく、感性解析を重要視している。その調査の一つとして、DMで使用される封筒で、紙質をつるつるやざらざら等5種類に分けて好感度調査、フラップ(ふた)部分のデザインによるストレス調査を行った。紙質での好感度は実際に触っている間の好感度調査と後のアンケートの好感度調査とが一致しなかったものの、ストレス調査においては実際に開けているときのストレス度と後のアンケートのストレス発生個所調査が一致した。すなわち、より悪い点とユーザーが感じた点はそのまま評価に直結するため、その改善こそが好感度の上昇によりつながりやすいことが判明した。
また、異なる言語・文化の人間に対してもこれら感性解析等は通用するのかの調査として、台湾のクレジットカード加入パンフレットの改善調査も行われており、そちらにおいても評価の上昇、ストレス度の改善等、一定の改善効果を挙げている。これにより、感性解析は言語を越えた解析として有効であることがうかがえる。
「0秒コミュニケーション」の次のステップ
これらの調査を踏まえて、0秒コミュニケーションの完成解析は次のステージに向かっている。感性解析も、現在は少人数で実験室での調査で、言語や意識に依存した上での結果のデータを利用するものにすぎないが、今後はより多くの施行回数・施行機会を現場調査で、リアルタイムに無意識な反応も捉え、結果だけでなくその過程のデータをより取り入れていく形となる。そこで重要となるのは、IoT・AI技術の活用だ。表情・音声解析や画像認識技術、自然言語処理や通信技術等多くの技術活用によって、0秒コミュニケーションは次のステップに進むのである。
0秒コミュニケーションを発展させることは、現代のDMに役立つだけでなく、次の消費の中心となる次世代の持つ、リアルとバーチャルの間に持つ緩いつながり意識、すなわち2018年のキーワード「第7感」につながるものとなる。デジタル・ネイティブの世代へのアプローチは、すでに始まっているのだ。
以上です。
セミナー内容にあった、DM封筒のストレス調査はとても興味深いものでした。
確かに現代社会はとにかく情報が溢れており、「どれが自分の好みに合わないか」の消去法で物事を選んでしまうことが多々あるように自分自身感じます。Amazon Dash Buttonが現代に生まれた背景にも、「精査してより良いものを」でなく「ストレスの少ない物を」、こういった影響があるのかもしれません。
そういったIoTのアプローチは、次はどのような形で訪れるのか。今後も注目していきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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